病気について
うつ病とは
うつ病は誰にでもかかりうる、こころの病気です。
WHOが日本人を対象に行った調査によると、約13人に1人が生涯のうちにうつ病を経験するという結果がでています。 うつ病になると、こころにもからだにも不調が現れ、元気がなくなったり、自分が思うように動けなくなることがあります。気持ちの問題ではないため、気力で解決できるものではありません。治療が必要な病気です。
WHOが日本人を対象に行った調査によると、約13人に1人が生涯のうちにうつ病を経験するという結果がでています。 うつ病になると、こころにもからだにも不調が現れ、元気がなくなったり、自分が思うように動けなくなることがあります。気持ちの問題ではないため、気力で解決できるものではありません。治療が必要な病気です。
うつ病の症状・特徴
こころやからだにこんな症状ありませんか?
- 何に対しても、興味が持てない
- 憂うつだ
- 気がすすまない、やる気がでない
- 落ち着かない、いらいらする
- もの悲しい、泣きたくなる
- 眠れない
- 食欲・体重が落ちた
- 疲れやすい、からだがだるい
- 頭が痛い
- ゲリがちである
- 過度の発汗
- 息切れ、息苦しい
うつ病の原因
うつ病やうつ状態の原因は「気の持ちよう」によるものではなく、脳内物質(セロトニン、ノルアドレナリンなど)のバランスがくずれているといわれています。
うつ病の治療
うつ病の治療を始めると、数カ月かけて「良くなったり悪くなったり」を繰り返しながらゆっくりと回復します。早くよくなる症状もあれば、時間がかかる症状もあるので、ゆったりとした気分であせらず服薬を続けることが大切です。
うつ病の方は、健康な人に比べて脳内物質の働きが不足しています。
抗うつ薬のなかでもよく使われているSSRIは、不足しているセロトニンを補う事ができます。他にもSNRIやNaSSAなどの抗うつ薬が使われることもあります。
お薬を急に止めてしまうと、めまいや頭痛、憂うつな気分が悪化することがありますので、自分の判断で止めないことが大切です。
うつ病の方は、健康な人に比べて脳内物質の働きが不足しています。
抗うつ薬のなかでもよく使われているSSRIは、不足しているセロトニンを補う事ができます。他にもSNRIやNaSSAなどの抗うつ薬が使われることもあります。
お薬を急に止めてしまうと、めまいや頭痛、憂うつな気分が悪化することがありますので、自分の判断で止めないことが大切です。
統合失調症とは
統合失調症は、考えや気持ちがまとまらなくなる状態が続く精神疾患で、その原因は脳の機能にあると言われています。約100人に1人がかかるといわれており、決して特殊な病気ではありません。
統合失調症の症状・特徴
統合失調症の症状は大きく「陽性症状」と「陰性症状」の二つに分けることができます。陽性症状
-
- 妄想
- 明らかに間違った考えや受け入れられない状況について、強い確信をもってしまうこと。非現実的なことを信じ込んだり、誰かに監視されていると感じたり、テレビで自分の事を話していると思い込んだりする症状です。
-
- 幻覚
- 実際に起こっていないことを現実的な感覚として知覚してしまうこと。まわりに話している人がいないのに誰かの声が聞こえてくる。(幻聴)/実際に存在しないものが見える(幻視)/臭う(幻嗅)/感じる(幻触)などの症状です。
-
- 思考障害(不統合症状)
- 思考が混乱してしまい、考え方に一貫性がなくなってしまうこと。会話に脈絡がない。ひどい場合は何を話しているか分からなくなるなどの症状です。
陰性症状
-
- 感情の平板化(感情鈍麻)
- 喜怒哀楽の表現が乏しくなるだけでなく、他者の感情に共感することも少なくなってしまうこと。
-
- 思考の貧困
- 会話をしていても比喩などの抽象的な言い回しが使えなかったり、理解できなかったりする。
-
- 意欲の欠如
- 自発的に何かを行おうとする意欲がなくなってしまうこと。また、いったん始めた行動を続けていくことが出来なくなる。
-
- 自閉(社会的引きこもり)
- 自分の世界に閉じこもり、他者とのコミュニケーションを取らなくなること。
統合失調症の周期
統合失調症は病気の経過により、前兆期・急性期・休息期(消耗期)・回復期に分けられます。それぞれの病期で特徴的な症状が認められます。前兆期
特に目立った症状はありませんが、何となく変だと感じるようになります。眠れなかったり、イライラしたり、集中力が低下するなどの症状が続きます。急性期
幻覚や妄想など不思議な体験をしますので、自分の中で何かが変だと感じながらも、自分が病気だと思えず、他人から見ておかしな行動をすることがあります。また、周りの出来事に敏感になり、不安や緊張を強く感じることがあります。休息期(消耗期)
幻覚や妄想などの目立った症状はなくなりますが、元気がなくなったり、やる気が起こらなくなったりします。これは、急性期に心と体のエネルギーをたくさん使ってしまったことが原因と考えられていますので、薬を飲み続けながら、ゆっくりと十分に休むことが必要です。回復期
少しずつ元気が出てきて心も体も安定してきますので、あせらず、ゆっくりと生活の範囲を広げていきましょう。また、再発予防のために薬を忘れずに飲むことが大切です。
統合失調症の原因
統合失調症の原因はまだはっきりとわかっていませんが、脳内で情報を伝える神経伝達物質のバランスがくずれることが関係しているのではないかといわれています。また、大きなストレスがかかることなども関係あるようです。
遺伝子も関与しているといわれていますが、単純に遺伝子だけの問題ではなく、環境やさまざまな要因が関与していると考えられています
統合失調症の治療
統合失調症の治療目標は、症状をコントロールしながら自分らしく生活を送ることにあります。統合失調症の代表的な治療として、薬による治療(薬物療法)と精神科リハビリテーション(デイケアなど)があります。急性期には薬による治療が基本になりますが、急性期・休息期を脱した回復期に入ると、薬と精神科リハビリテーションを組み合わせることが効果的といわれています。- 薬物療法
- 統合失調症の治療の中心となる薬を抗精神病薬といいます。幻覚や妄想、考えをうまくまとめることができない、気持ちをうまく表現できず意欲がわいてこない等の症状を改善するだけでなく、再発の予防にも力を発揮します。現在は、薬をよく飲み忘れる人や、飲みこみに問題がある人向けに、筋肉注射の注射薬も開発されています。これは1回の注射で約2~4週間効果が持続します。その他にも、症状に合わせて、不安や抑うつを和らげる薬、睡眠薬などが使われます。また、抗精神病薬の副作用を抑えるために、抗パーキンソン病薬、便秘薬が処方される場合もあります。薬をのむのをやめると、また症状が出てくることがあります。また、再発を繰り返すと症状が強くなり、治りにくくなります。薬には再発を予防する作用があり、薬を飲み続けることは重要です。症状が良くなったからといって、自己判断で服薬をやめないことが大切です。
精神科リハビリテーション精神科リハビリテーションとは、スムーズに安定した生活を送れるように手助けをするものです。人の集まるところで感じるストレスにうまく反応できる力を身につけたり、仕事に生かせる技術や人との接し方などを学んだりすることができます。社会生活感覚を取り戻すための、さまざまな社会復帰プログラムや支援生活施設があります。医師や精神保健福祉士(PSW)、作業療法士と相談して、自分にあった無理のないリハビリテーション・スケジュールを計画します。
- ※デイケアとは
- グループ活動を通じて社会にうまく参加できるように準備するところです。レクリーエーション、軽作業、料理などのプログラムがあり、症状は良くなったけれども社会に出る自信がない、友達が欲しいなどの悩みがある場合は、デイケアに参加すると良いでしょう。定期的に通うことで規則正しい生活リズムも身につきます。秋元病院では健康保険を使って参加できます。
- 家族会に参加してみましょう
- 家族会は、統合失調症など精神疾患のある患者さんを抱える家族が互いに悩みを分かち合い、励ましあう集まりです。秋元病院、秋元クリニックでは家族会を定期的に開催しています。悩んでいるのは自分一人ではないことがわかって気分が楽になったり、話をすることで気持ちの整理ができたり、ときに思いがけない発見や反省すべき事柄もあるかもしれません。ご家族が病気の治療に最も必要な心の安定感を保つためにも、家族会への参加はとても有意義なことです。
パニック障害とは
人ごみや狭い所でわけもなく苦しくなってパニック発作に陥ったら、パニック障害の疑いがあります。
パニック障害は、100名中3人がかかるといわれており、特殊な病気ではありません。
海外では早くからこの病気についての研究が進んでおり、治療も進歩しています。しかし、日本ではこの病気について、まだまだ理解や知識が乏しいために、病気に気付かず悪化させてしまうケースも少なくありません。専門医による適切な治療を早期に受けることが大切です。 ※パニック発作とは 自律神経の乱れから起きる発作。脳には危険を身体に知らせる警報機の役割を果たしている小さな部分があります。この部分が突然、危険警報を発し恐怖感が生じて身体が反応して危険に備えます。主な症状は次のようなものです。 めまい、発汗、浮遊感、動悸、窒息感、胸痛、息苦しさ、非現実感など。
パニック障害は、100名中3人がかかるといわれており、特殊な病気ではありません。
海外では早くからこの病気についての研究が進んでおり、治療も進歩しています。しかし、日本ではこの病気について、まだまだ理解や知識が乏しいために、病気に気付かず悪化させてしまうケースも少なくありません。専門医による適切な治療を早期に受けることが大切です。 ※パニック発作とは 自律神経の乱れから起きる発作。脳には危険を身体に知らせる警報機の役割を果たしている小さな部分があります。この部分が突然、危険警報を発し恐怖感が生じて身体が反応して危険に備えます。主な症状は次のようなものです。 めまい、発汗、浮遊感、動悸、窒息感、胸痛、息苦しさ、非現実感など。
このように、症状が進んでしまうと、通勤や買い物などに支障をきたし、生活が著しく狭められてしまいます。
パニック障害の症状・特徴
こころやからだにこんな症状ありませんか?
- 胸がドキドキして動悸が激しくなる
- 心臓が張り裂けそうにドキドキする
- 呼吸がだんだん早くなって息苦しくなり、息ができなくなる
- 冷や汗がでる
- ふわふわと空中にいるような感じがする
- 激しいめまいで立っていられない
- 頭を後ろからつかまれているような何ともいえない感じがする
- 自分だけ別世界にいるような非現実感がある
- 胸の痛みや不快感
- 吐き気、腹部のいやな感じ
- 死ぬ(狂う)のではないかと思う
- 身体が熱くなったり、冷たくなったりする
パニック障害の原因
パニック障害の発病には、過労やストレスが強く関係しているといわれています。気持ちの持ち方や性格などによって病気になるのではなく、身体的な要因で起こるといわれています。そして、そのもとには、中枢神経のバランスが乱れやすいという体質的なものがあると考えられています。
パニック障害の治療
専門医から適切な治療を受けることで、完治が見込める病気です。早期に治療を始めるほど効果があります。適切な治療を早く受けて病気の慢性化を防ぎ、自分をパニック発作から解放しましょう。治療には時間がかかります。症状が消失した後も、その状態を維持するために、半年から1年、お薬を服用します。さらに時間をかけてお薬を減らしていきます。あせらず、気持ちにゆとりをもって気長に治療する事が大切です。
- パニック障害の治療は症状に応じて行います
- パニック発作をまず止めることが、治療の第1ステップです。脳の危険を身体に知らせる警報機の役割を果たしている部分の誤った危険警報に、即効性のある抗不安薬で発作をコントロールします。抗不安薬は依存性などに問題がありますので、依存性の問題も少なく、止めるときにも問題が少ない、高力価で、長時間型の抗不安薬を使います。
- パニック発作がおさまってもすべて解決というわけではありません。まだ強い不安感(予期不安)が残る場合があります。これは、パニック発作の結果、大脳が影響を受け、セロトニンという神経伝達物質が不足しているケースが多いからです。治療の第2ステップとして、この治療のためにSSRIなどの抗うつ薬で、脳内のセロトニンを増やしてやる必要があります。不安感(予期不安)の治療は、ゆっくり時間をかけて治療していく必要があります。
- 不安感(予期不安)が弱くなってきたら、治療効果を高めるために、お薬の服用とともに、心理療法を開始します。この心理療法の1つに「認知行動療法」があります。科学的な根拠に基づいてプログラムが組まれ、パニック障害の早期治療には大切なプロセスです。この治療では、危険なことが起こるわけではありません。安心して受けましょう。
※ 当院では「カウンセリング」は行っておりません。
ここで言う心理療法とは医師が行う診察での対応を指します。
発作が起きたときの対処法
パニック発作が起きたら、椅子に座り頭を膝につけるくらい前かがみになったり、腹這いになります。このような姿勢をとると呼吸が複式になり、だんだん楽になります。また、「パニック発作なので、心配ない」と、自分自身に言い聞かせたりすることも効果があります。
社交不安症(SAD)とは
「人前で話すとき、極度に上がってしまう、ひどく動悸がする」「人前で字を書くとき、手は震えてしまう」など、日常生活が送れなくなるほど人前で強い恐怖や不安を感じてしまうこころの不調は、気持ちの持ち方や自身の性格ではなく、社交不安症(SAD)の可能性があると言えます。
社交不安症(SAD)による強い不安感、緊張感を持ちながら社会生活を続けていくと、不安感や緊張感が生じる場面を避けるようになっていき、最終的には引きこもり、社会生活に大きな支障が出てくる可能性があります。
社交不安症(SAD)の患者さんは推計で国内に300万人以上いるともいわれており、決して少ないわけではありません。しかし「適切に治療すれば改善するこころの不調」であることが知られていないことと、「本人の性格の問題である」と本人だけでなくご家族・パートナーも思い込んでいる面があり、なかなか医療機関を受診できないでいるというのが現状です。しかし、本人が苦痛を抱えたままでいると、症状が慢性化する可能性がありますので、何よりもまず早めに医療機関を受診することが大切です。
社交不安症(SAD)による強い不安感、緊張感を持ちながら社会生活を続けていくと、不安感や緊張感が生じる場面を避けるようになっていき、最終的には引きこもり、社会生活に大きな支障が出てくる可能性があります。
社交不安症(SAD)の患者さんは推計で国内に300万人以上いるともいわれており、決して少ないわけではありません。しかし「適切に治療すれば改善するこころの不調」であることが知られていないことと、「本人の性格の問題である」と本人だけでなくご家族・パートナーも思い込んでいる面があり、なかなか医療機関を受診できないでいるというのが現状です。しかし、本人が苦痛を抱えたままでいると、症状が慢性化する可能性がありますので、何よりもまず早めに医療機関を受診することが大切です。
社交不安症(SAD)の症状・特徴
社交不安症(SAD)には、不安や緊張に伴う回避によって、社会生活の妨げになる可能性がある下記のような特徴的な症状があります。
- 人前で発表するのが極度に怖い・緊張する
- 人と接するのが極度に怖い・緊張する
- 周囲からの視線が極度に怖い
- 注目されると緊張で赤面する・汗をかく
- 人前で食事ができない
- 人前で文字を書くとき、手が震えて書けない
- 人前で電話をかけるのが怖い
- 周囲に人がいると用を足すことができない
社交不安症(SAD)になる原因
原因は大きく二つあり、「脳内の情報伝達信号の乱れ」と、本人に「不安を感じやすい性格傾向」があることです。
社交不安症(SAD)の人は不安な状況に対し、健康な人よりも脳の反応が過敏になっています。また、脳内の神経伝達物質のバランスが乱れ、特に「恐怖・不安」を和らげる役目を果たすセロトニンの量が低下していると考えられます。
元々の気質として、「真面目で責任感が強い」「心配性で完璧主義」「人との交流が苦手。求めない」「人から良く思われたい」など、社交不安症(SAD)になりやすい性格傾向があることもわかっています。
社交不安症(SAD)の人は不安な状況に対し、健康な人よりも脳の反応が過敏になっています。また、脳内の神経伝達物質のバランスが乱れ、特に「恐怖・不安」を和らげる役目を果たすセロトニンの量が低下していると考えられます。
元々の気質として、「真面目で責任感が強い」「心配性で完璧主義」「人との交流が苦手。求めない」「人から良く思われたい」など、社交不安症(SAD)になりやすい性格傾向があることもわかっています。
社交不安症(SAD)の治療
脳の神経伝達物質のバランスが乱れていることが一因として考えられるため、お薬や精神療法を組み合わせながら治療を行っていきます。
お薬はSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が服用のベースになります。個人差がありますが、服用開始から数週間から数カ月で我慢できないような不安が減ってきて、効果を実感できるようになります。しかし、社交不安症(SAD)は適切な治療をすれば改善が期待できますが、多くの場合、長期戦となります。根気よく治療を続けることが必要です。
お薬はSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が服用のベースになります。個人差がありますが、服用開始から数週間から数カ月で我慢できないような不安が減ってきて、効果を実感できるようになります。しかし、社交不安症(SAD)は適切な治療をすれば改善が期待できますが、多くの場合、長期戦となります。根気よく治療を続けることが必要です。